花王「前髪マスカラ」が10代女子に人気! なぜ彼女たちの心をつかんだのか出荷数は162万本(4/6 ページ)

» 2025年05月01日 06時00分 公開
[小林香織ITmedia]

愛用者の声を生かす「SNSマーケティング」

 発売にあたっては、すでに黒ケープシリーズが高い人気を誇っていたため、その認知度を生かしてPRを展開。すると発売前から話題を呼び、一時は供給が追いつかないほどの反響を呼んだ。発売からわずか3週間で、目標の2倍を超える販売数に達したという。

若年層へのアプローチとして、TikTokで「【ケープ公式】前髪部」として発信している(ケープのTikTokアカウントより)

 「発売後は、主にSNSを使ってプロモーションを実施しました。施策の軸は大きく2つあり、1つは愛用者の声を生かしたPRです。黒ケープは愛用者のタレントやインフルエンサーによる発信によって人気を獲得した経緯があり、前髪マスカラでも愛用者の声を大事にしようと考えました。

 もう1つは、SNS上に投稿された製品への疑問や質問を拾い上げて、公式アカウントで回答していくこと。例えば、『髪に付けたら白くなった』『落としにくい』といった声に対して、適量の使い方や、落としやすい方法などを紹介しています」(松宮氏)

黒ケープの愛用者であるアイドル「超ときめき▼宣伝部」(▼=白ハート)を起用した前髪マスカラのネット広告も話題に(花王提供、以下同)

 SNSのうち、最も活発なのはTikTokで、「【ケープ公式】前髪部」のアカウントで積極的に運用。女子高生やアイドルが出演する投稿も多い。2025年2月にはケープの愛用者である人気アイドル「超ときめき▼宣伝部」(▼=白ハート)を起用したネット広告を公開し、反響を呼んでいる。

 「10〜20代はSNSでの拡散力が高く、若年層へのアプローチが30代以上の認知獲得にもつながります。最も購入しているのは10代女性ですが、その上の年代にも売れています」(松宮氏)

 そうした施策が功を奏し、発売後1年間の出荷数量は当初計画比で1.7倍、累計出荷数は162万本以上(2025年4月下旬時点)とヒット商品に。

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