1970年代になると、後ろにトランクのないハッチバック車が人気となります。名前を挙げればトヨタ「スターレット」やホンダの「シビック」、三菱の「ミラージュ」です。マツダのハッチバック「ファミリア」は1980年代に大ヒット車となっています。
1980年代になると、さらに幅広い車型が人気となります。かっこいいクーペでデートのために使われる「スペシャリティ」に注目が集まり、ホンダ「プレリュード」や、日産「シルビア」、トヨタ「セリカ」が若者たちに人気となりました。
また、80年代にはアウトドアにクルマで遊びにいくというRVブームが生まれます。クロスカントリー車(いまで言うSUV)や、ステーションワゴンの人気が急上昇します。人気となったのが三菱「パジェロ」やトヨタ「ハイラックス」、日産「テラノ」でした。
この流れの延長で、1990年代になるとトヨタ「RAV4」や「ハリアー」、ホンダ「CR-V」がデビューします。クロカンではなく、街乗りメインの正真正銘のSUVの誕生です。
同じ1990年代には、トヨタの「エスティマ」、日産「セレナ」、ホンダの「ステップワゴン」がデビューします。商用車ベースではない、乗用を主眼として生まれた、いまのミニバンの開拓者となります。
ただし、これらSUVやミニバンの先駆者は、大ヒットしたわけではありません。あくまでも、昭和から平成初期の不動のベストセラーはトヨタの「カローラ」です。「カローラ」は、1969年から2001年まで、33年間連続の国内販売台数1位の座を守り続けていた絶対王者だったのです。
ただし、「カローラ」の1位には、特別な理由があります。それは派生モデルがたくさんあったということ。「カローラ」は、セダン、クーペ、ハッチバック、商用バン、ステーションワゴンと5つもの車型を持っていました。言い方を変えると当時は、「カローラ」にある5つの車型が売れ筋だったのです。
しかし、2002年に「カローラ」が1位の座を追われた後、日本の市場は大きく変化します。
名刺の裏に金額を書いて「せーの」で出してきた クルマ買い取りの“入札制度”が面白い
なぜヘッドライトがまぶしく感じるクルマが増えているのか
なぜ人は「激安タイヤ」を買うのか アジアンタイヤの存在感が高まるリスク
なぜ「プリウス」が標的にされるのか 不名誉な呼び名が浸透している背景
なぜ「時速5キロの乗り物」をつくったのか 動かしてみて、分かってきたことCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング