続いて、2022年にマレーシアに進出。現地における蔦屋書店とツタヤブックストアのフランチャイズ事業の展開にあたり、CCCと双日(東京都千代田区)で合弁会社・TSUTAYA BOOKS MALAYSIA SDN.BHD.を設立し、事業拡大を進めている。
なぜ台湾、中国に続き、マレーシアだったのか。
「タイやインドネシア、オーストラリアなどさまざまな国から出店のオファーをいただきましたが、現地調査を経てマレーシアに決めました。同国は東南アジアの中でも貧富の差がそれほどなく、国民全体の英語力が高い。マレー系、中華系、インド系の3大民族から成る多民族国家で、文化の架け橋になるには非常に良いエリアだと考えました」(上本氏)
日本企業の東南アジア進出といえば、タイ・バンコクやシンガポールが真っ先に浮かぶが、バンコクでは加盟企業が決まらなかった。かつ、英語の識字率が低いのも懸念事項だ。シンガポールは物価が高く商売が成り立ちづらいという理由から、マレーシアを優先したという。
2022年7月、1号店の「ブキット・ジャリル 蔦屋書店」を開業。ブキット・ジャリルは首都クアラルンプール南部に位置する住宅地・商業地で、東京の「二子玉川」のようなエリアだという。
同店は2021年12月にオープンしたマレーシア最大級の複合商業施設内にあり、店舗面積は約800坪と広大だ。書籍や雑貨売り場、アートギャラリー、購入前の書籍や雑誌を閲覧できるカフェなどが入る。
2023年10月には、クアラルンプールの中心地に2号店の「ツタヤブックストア インターマークモール店」を開業。2024年11月には、シンガポールに隣接するマレーシア第二の都市・ジョホールバルに、3号店の「ツタヤブックストア イオンモール テブラウ シティ店」を開業した。
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