なぜ、あえて「白く」したのか。そこには、視覚的な驚きと新食感によって、日常的なパン購入に新たな体験価値を加えようという狙いがあった。「街のベーカリーでは商品を選ぶ楽しさがある。コンビニでのパン選びにも楽しさを提供したかった」と鈴木氏は説明する。
通常、パンは焼く過程でタンパク質と糖がメイラード反応を起こして焼き色が付き、さらに糖が単体でカラメル化反応して色が付く。焼き色がきれいに付くのがいいパンとされているが、あえて色を付けずに焼き上げる工程で試行錯誤を繰り返し、開発には約6カ月を要した。
「白生パン」を実現した背景には、2つの工夫がある。1つは、低温でじっくり焼く製法を採用したこと。通常より低い温度でやや長めに焼き上げることで、焼き色を抑えつつ、パンの膨らみを確保した。
もう1つは、色が付きづらい糖に一部置き換えたことだ。しかし、この糖はイースト(パン作りに使われる酵母)の栄養源にならないため、発酵に必要な通常の糖とのバランスが重要だった。繊細な配合調整によって、白さと独特の食感を両立させることに成功した。
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