2023年には、「日本の滝百選」のひとつである「前鬼・不動七重の滝」へつながる森林浴歩道の整備のため、クラウドファンディングを実施したところ、目標を上回る120万円が集まった。
寄付者の半数はリターンを求めない純粋な寄付であり、村に愛着を持つ人たちの存在が確認できた。もともと、貞子プロジェクト発足時に掲げていた「関係人口の創出」という点においても、成果が出たといえるかもしれない。
「貞子の村巡り」アプリは、累計ダウンロード数が約5200件に上り、村の知名度向上にも確実なインパクトをもたらしたといえる。しかし、その数字以上に価値があったのは、村の「動きのある姿勢」を全国に発信できた点だろう。
社会増減数が2年連続プラスという成果は、貞子アプリだけの効果ではないが、話題性のある取り組みが地域ブランディングの起点となり、移住促進にまで波及する可能性を示した。
10月末で「貞子の村巡り」は終了するが、下北山村の観光・移住促進の取り組みは続く。道の駅建設、つちのこパークなど、一時的な話題で終わらせず、持続的な地域振興につなげられるかが問われる。
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