ハイブリッドワークに移行するため、カルビーはいくつかの施策を実施した。その1つが、本社オフィスの再拡充だ。「当社は2021年9月に本社オフィスを2フロアから1フロアに集約した。今回の新しい働き方への移行に併せ、791.73平方メートルを再度増床。執務席と会議室を増設し、本社在籍者約700人全員分の座席を確保した」(石井氏)。新しいオフィスは4月30日から利用開始している。
また、遠隔勤務制度(通称:スマートワーク)を本格導入した。社員は上長の許可が出れば、所属する組織の拠点に限定されることなく、出張先や最寄りの事業所を勤務地として選択できる。種橋直実氏(人事・総務本部 人事総務部部長)によれば、5月末時点での応募件数は30件ほどとのこと。主に配偶者の転勤や親の介護といった事情で活用されているという。
カルビーはコロナの収束が見えたタイミングで、今後の働き方について議論したという。モバイルワークにはデメリットはあったが、多様な状況で働く社員にとってメリットもあった。「仕事の成果を目指しつつも、享受できるメリットは享受したいとの考えから、当社は2023年5月に『一律での出社回帰はしない』と決定した」と石井氏は振り返る。
人見泰正CHRO(最高人事責任者)は「私も子育てしながら仕事をしてきた。例えば午前10時に学校に用がある場合、出社を原則とすれば自宅から会社へ出勤し、その後会社から学校に向かい、また学校から会社に戻らなければならない。在宅ならば自宅と学校への往復だけで済む。こうした経験から、働く場所を選ぶことと、時間を選ぶことはセットであると考えている。出社と在宅勤務のいいとこどりな働き方ができれば」とコメントした。
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