人材育成の面でも、効果を実感している企業がある。中には、年間60人規模で長期研修プログラムを行っている企業もあり、ID-POS(個人の購買データ)分析やデータサイエンスのスキルを高めながら、最終的には他社の担当者に向けてプレゼンテーションを行い、意見をもらう機会も設けている。
また、あるメーカーでは、ムスブ宮若での取り組みを通じて、これまでのマーケティング手法を見直すきっかけを得た。販売している日用品について、当初想定していた顧客層とは異なる人たちが多く購入していることが、トライアルHDの顧客データから分かったのだ。それを受けて販促戦略を修正した結果、売り上げが向上した。
ムスブ宮若の特徴は、企業間の壁が低いことだ。取り組みの成果を共有する発表の場があるほか、懇親会や施設内での交流を通じて、普段はあまり関わりのない企業同士でも情報交換が活発に行われている。
参加企業からは、「同じような課題を持つ企業をトライアルがつなげてくれることが多い」と評価されている。また、他の小売チェーンとの関係についても、従来の「取引」から「協力して取り組む関係」へと変えていきたいという声も聞かれた。
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