参加企業の間では、具体的な成果も出てきている。例えば、2021年11月からこの取り組みに参加しているサントリーは、少しずつ活動の範囲を広げてきた。2024年11月には「福岡エリアプロジェクト」として、トライアルHDの福岡エリアの店舗で、エリアマーケティングやリテールメディアを活用したプロモーションを実施した。
福岡のエリアタレントを起用したCMやテレビ番組、イベントの実施のほか、トライアルHDのリテールテック技術を活用し、店頭でのオリジナルサイネージ動画やレジカートへの広告・クーポン配信を行った。
その結果、対象商品(サントリー生ビール)の売り上げが前年比の約3倍に伸びた。プロモーション終了後も販売は高水準を維持しているという。
特に大きな効果があったのは、スマートショッピングカート「Skip Cart」に付いたタブレット端末に表示した広告だ。新規顧客の獲得率は42.1%と高く、このプロジェクトで行った複数の販促施策の中で、最も良い結果を出した。
「レジカートは、買い物の直前に使われるメディアなので、新規顧客の獲得にとても効果があった」と、サントリー広域営業本部の山本宰慶氏は手応えを語る。また、広告だけでなくクーポンも組み合わせた施策では、購入率と客単価の両方が上がることが分かり、リテールメディアの効果的な使い方が見えてきたという。
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