「売れる」は禁句──営業会議で使うと“組織が腐る”言葉の正体「キレイごとナシ」のマネジメント論(5/5 ページ)

» 2025年07月07日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]
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言葉を変えただけで起きた劇的な変化

 この製造業の会社は、まさに言葉の使い方を全員が変えることで成功を収めた。営業会議での発言から日常の会話まで、「売れる」「育つ」といった自動詞を徹底的に排除したのだ。

 上司たちは部下育成を自分の責任として捉えるようになった。「なかなか育ってくれない」という愚痴は消え、「私がどう育てるか」という建設的な議論に変わった。

 具体的な育成計画を立て、一人一人の成長に真剣に向き合うようになったのである。

 部下も劇的に変化した。当事者意識をしっかりと持ち、「何を活用して自分が売るのか」を真剣に考えるようになった。これまでのように引き合いを待つのではなく、自分で考え、積極的に行動する営業パーソンに変貌したのだ。

 その結果、業績はV字回復を果たした。

 単なる受け身の営業ではなく、積極的に顧客のことを知ろうとする姿勢が評価され、顧客からも大きな信頼を勝ち取ることができた。80年の歴史を持つ会社が、たった一つの言葉づかいの変更から組織全体を変革した。

 言葉を変えれば、必ず組織が変わる。今日からでも実践できる組織変革の第一歩なのだ。

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