次に、どのような手を打ったのか。2023年9月に「故障カード」を導入した。各マシンにカードとペンを設置し、異常があれば利用者が内容を記入する。その後、定期的に巡回しているメンバーがカードを回収するという仕組みである。
しかし「記入→回収」という流れなので、どうしてもタイムラグが生まれてしまう。また、利用者はマシンに詳しくないので、記載された内容が本当に故障かどうか判断がつかないことも。現場を確認した結果、部品交換が必要と分かれば、改めて再訪する必要があり、対応の非効率さが浮き彫りになったのだ。
そこで2カ月後、2023年11月に「チェックシート」を導入。ジム内に設置されたシートに、異常のあったマシンを記入する方式に変更したのである。「故障カード」と同じような仕組みに見えるが、記入内容は「フレンドリー会員」と呼ばれる協力メンバーが確認し、本部へ報告するという点が異なる。
しかし、この方法にも課題が残った。手書きのため、記入ミスや内容のあいまいさがネックとなった。また、対応までに時間がかかるうえ、フレンドリー会員でも不具合の場所を正確に把握できないことがあった。
そこで次の一手として、2024年11月に導入したのが「QRコード」である。マシンに貼られたQRコードから不具合を直接送信できるようにした。
例えば「マシンの状態に近いものを選択してください」という質問に対して、(1)マシンが正常に動作しない(2)変な音がする(3)マシンの位置がずれている、といった項目があって、それにチェックを入れるだけ。瞬時に「どの店舗」の「どのマシン」に「どのような不具合」があるのかが分かるようにしたのだ。
このシステムにより、報告スピードと内容の正確性が向上した。結果、どうなったのか。2024年1月の故障率(※)は0.54%、4月は1.14%だったが、QRコードを導入した12月は、6.10%に上昇したのだ。
(※)故障率=(故障台数+故障していないが不具合のある台数)÷総台数
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