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「10兆円ファンド」支援対象の東北大 理事・副学長に聞く「日本型研究人事」の課題:東北大学の挑戦(2/4 ページ)

» 2025年08月08日 14時04分 公開

世界標準から見た日本の研究人事制度の課題

――国際卓越研究大学第1号として、海外から優秀な研究者を積極的に受け入れるにあたって、どのような課題があると思いますか。

 この状況は国によって異なります。例えばドイツなどは日本以上に厳格で、1年近くかけてしっかり研究者と協定を結ぶ場合もあります。要するに、日本でスタンダードと考えられているような画一的な制度では、世界で通用しません。

 特に半導体や宇宙分野のような最先端領域では、「明日から来てくれ」と言われても、準備や調整なくすぐに動き出せるわけではなく、長いスパンで計画的に体制をつくる必要があります。最初は個別契約で参画して、環境が合えば本格的に移ってくる、という形もごく一般的なのです。そうした自由度の高さがなければ、世界から人材を集めるのは難しいと実感しています。

 特にIT分野の方や若い研究員の場合は、チームを持たずに身軽に働けるので、より迅速に動くことができます。そして若手もシニアも含めて、能力のある方であれば、複数のチームを同時に指揮することも難しくありません。

 実際、日本の研究者も、一人で複数のプロジェクトをマネジメントしている方が多くいらっしゃいます。それなのに、「この組織にいるから、ずっとここだけで働くべきだ」という考え方で縛ってしまうのは、日本特有の問題だと思います。

――研究者においても、多様な働き方改革が求められているわけですね。

 若い学生や子育て中の方などにも、チームをもちつつ、例えば月に一度出張で来る形で十分に貢献してもらえますし、オンラインでも問題なく活動できる時代です。研究者に複数のチームを持ってもらい、それぞれで力を発揮してもらうことは、これからの時代の人的資本戦略として非常に重要だと思っています。

 大学の内部には、時として非常に尖った個性や考えを持つ方も多いですし、一つの組織にじっくり腰を据えていることが最良とも限りません。むしろ学外、海外にも広くネットワークを持つことで、変化や成長のサイクルが加速します。われわれも大学院生の留学の機会を積極的に設けていますが、それによって互いに刺激を受け、組織全体が変わっていくのです。組織にこだわるのは日本人特有とも言えますが、フリーエージェント的な働き方が今後ますます広がっていくと考えています。

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