「それ、パワハラです!」 部下に訴えられたら、上司のあなたがすべきことは?(3/5 ページ)

» 2025年08月20日 06時00分 公開
[加藤京子部下からの逆パワハラで“もう無理”と思ったときに読む本]

 今、あなたは、ハラスメント行為者として疑いがかかっているのですから、あなた自身が、ハラスメント行為者になるかどうかを確認してください。

パワーハラスメントとは、職場において行われる優越的な関係(1)を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えて(2)、その雇用する従業員の就業環境が害される(3)ことを指す


出所:ゲッティイメージズ

まず、(1)について

 職場の立場・地位が上の人の言動かどうかでいうと、そうですよね。あなたが上、部下が下という優越的な関係が成立します。いわゆるよくある一般的な「上司→部下」の関係です。

次に(2)について

 あなたが行った注意・指導の内容が業務上必要だったかを判断します。Q1〜3の視点で考えてみます。

Q1:あなたの指示・言葉は、業務上(部下の指導・教育上)、必要でしたか?

 チェック項目は次の通りです。部下を含めて複数の人間がそのように認識していることが大切です。

(1)指導目的の正当性

業務上明らかに必要性のない言動だったかどうか

業務の目的を大きく逸脱した言動だったかどうか


 厳しい言動は、部下を育てる目的でされたものか、それとも妬みや恨み等の個人的感情から嫌がらせ目的で行われたものか、という観点です。例えば、クライアント対応が不適切な部下を叱るのは、部下を育てるために意味のある指導として正当化されます。これに対し、部下の態度が気に入らないだけで、理不尽に罵倒するケースはパワハラです。

(2)指導内容の合理性

業務を遂行するための手段として不適だったかどうか

回数・人数・手段が明らかに異常である行動だったかどうか


 言動の内容が、業務の改善のために合理的なものかどうか、という観点です。部下の失敗を指摘して、具体的な改善方法を提示するのであれば、指導は正当だと評価できます。生産性の向上が見込まれるのであれば問題ありません。

 これに対して、指導の理由を告げることもなく「何をやっているんだ!」「ふざけるな!」等、ただ怒鳴りつけるような言動だと業務の改善には役に立たず、パワハラと評価される可能性があります。

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