野村氏は当時を次のように振り返る。
「まず、AIに対する健全な危機感の醸成が大事だと考えていました。2024年の年末に、『AIファースト』を掲げたトップメッセージを発表した当時は、世の中も社内も今ほどAIに対する切迫感はありませんでした」
そんな中、社長はAIを積極的に活用していく旨の、力強いメッセージを発信した。
「それまで社内の多くの人は、『ChatGPTで壁打ちして楽しい』『画像が生成できて面白い』という程度の認識でAIを捉えていたと思います。しかし、AIを活用すれば、業務のやり方も働き方も、根本的に変わっていきます。その認識を全社員で共有することから始めたのです」(野村氏)
そこから同社が目指したのは、個人の努力に依存しない、組織としてのAI活用だった。
実際、野村氏が所属する人事部門でも、「組織としてのAI活用」を実践している。採用面接の音声を文字起こししてAIに読み込ませ、同社の採用基準と組み合わせて判断材料を作成する。これを個人がバラバラに行うのではなく、会社として統一した仕組みとして運用しているのだ。
現在、同社では、GeminiにChatGPT Enterprise、Notion AIと主に3つのツールを活用している。それぞれの利用率は8割に達しており、「全くAIを活用していない社員はほぼいない状態」だという。
しかし、ツールを配布するだけでは、社員は積極的に使わないだろう。実際、同社でも当初は「AIで何ができるんだろう」と戸惑う声もあったという。そこから社員の大半が日常的に生成AIを使うまでになった背景には、各部門での創意工夫と、それを支える全社的な仕組みがあった。その最前線で成果を上げているのが、Bill One事業部 マーケティング部だ。
Geminiを業務で使いこなす! Google Cloudが指南する「プロンプト入力」4つのポイントは?
年間「8.7万時間」の削減 ソフトバンクの営業組織は、なぜ「AIに優しく」するのか
野村が捨てた「資産3億円未満」を狙え SMBC×SBIが狙う“新興富裕層”の正体
DXの“押し付け”がハラスメントに!? クレディセゾンのデジタル人材育成を成功に導いた「三層構造」とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング