「確かに、個人レベルでの活用は進みました。しかし、実は同じ業務のためのプロンプトが社内に無数にある状態なんです」(野村氏)
野村氏が指摘するのは、個人最適から全社最適への移行という次なる課題だ。現在は各自が独自のプロンプトを作成しており、組織として見ると非効率な面もある。
また、部門による進捗(しんちょく)の差も明確になってきた。営業の商談準備のように個人で完結する業務は進みやすいが、労務や経理のように関係者が多い業務は慎重にならざるを得ない。影響範囲が大きいものほど、AIに置き換えづらい。AI活用の課題は、まだまだ山積みだ。
しかし野村氏は、この課題を乗り越えた先に、より大きな可能性を見据えている。
「GPTやGeminiとの壁打ちで終わらせず、構造としてAIが業務に入り込んでいる状態を作りたいです。経費精算のような全社共通業務にAIを組み込めば、働き方は大きく変わりますよね。
さらに、Sansanが持っている名刺や請求書、契約書のデータをAIとつなげることで、ChatGPTやGeminiでできることも大きく変わっていきます。社内の働き方を変えるだけでなく、顧客に提供するサービスも、AIで進化していける。そんなチャレンジをしていきたいですね」(野村氏)
野村氏の言葉には、AIと人間が共存する新しい働き方への確信がにじむ。技術の進化に振り回されるのではなく、人と組織の成長にAIを生かす。一見遠回りに見えるこのアプローチこそが、実は組織変革の最短距離なのかもしれない。
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