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「辛抱強い」イメージが崩壊? AI応対に「我慢できない日本人」が多いワケ

» 2025年11月28日 18時20分 公開
[ITmedia]

 Twilio Japanは11月28日、デジタル忍耐力に関する調査結果を発表した。

 デジタル忍耐力とは、消費者がブランドに対し不満を持つ前、もしくはオンライン取引から離脱する前に、どれだけの時間、好意、注意を費やすか──を示す指標で、同社は“顧客体験における新しい通貨”と定義する。

 日本人は我慢強い──というイメージを持つ読者の方も多いかもしれない。しかし調査では、そんなイメージを覆す意外な結果が明らかになった。

AI応対、我慢できない日本人 なぜ?

 モノを買う、宿泊の手続きをする──。消費者が何らかのサポートを受けるとき、対面の場合は行列の様子や従業員の働きぶりを見て、「まあ待つか」と思えるものだ。一方オンラインでは、そうはいかない。同社はこの忍耐力の部分で、オフライン・オンラインで差があると考えた。

 調査は、8月28日から9月4日、日本、オーストラリア、香港、インド、インドネシア、フィリピン、シンガポールの7カ国で実施。18歳以上の成人7331人(うち日本は1000人)を対象にした。

 まず、カスタマーサポートに対する忍耐力を調査した。

 人間の担当者との電話では「忍耐強くいられる」とした割合が76%だったのに対し、AIチャットボットでは55%、自動音声メニューでは54%と、20ポイント以上の差が見られた。AI応対に対する消費者の厳しい姿勢が見て取れる。

日本の消費者のカスタマーサポートへの忍耐力(提供:Twilio Japan、以下同)

 日本人は“忍耐力がある”というイメージが語られることもあるが、実はそうでもないらしい。

 アジア太平洋地域と日本を比較したところ、誤った荷物が届いた際の忍耐力では、日本は50%に対しアジアは59%だった。医療機関での診療後の次回予約手続きにおいては、日本で60%に対し、太平洋諸国で77%と、大きく差が開いた。

【日本とアジア太平洋地域の比較】カスタマーサポートへの忍耐力

 日本の消費者の88%は「忍耐強くいなければならない」と思っているのに対し、「忍耐を保てている」とした割合は65%。久保敦社長は「オンラインの対応において、消費者は思っているより忍耐強くいられない」と指摘した。

認識と実態のギャップ

顧客体験設計で重視すべき4つのポイント

 AI対応のカスタマーサポートへの満足度は24%。この数字は、調査国の中で最低だった。

 なぜ日本の消費者は、AI対応のカスタマーサポートに対して忍耐力も満足度も低いのか。

 久保社長は、日本ではAIに対する期待値が非常に高いと指摘する。「日本の消費者は、待たされることを嫌い、スピーディーな対応を求めている。これは日本の消費者が、良いサービスを受けてきたからだ」(久保社長)

日本の消費者に聞いた、AI対応のカスタマーサポートへの満足度

 現状不満に感じている要素としては、「質問の意図を理解してもらえない」(38%)、「問題解決されない」(36%)、「問題解決が迅速ではない」(33%)という結果になった。

 カスタマーサポートへのAI導入により、30%が「より迅速な対応」、27%が「24時間年中無休での対応」、22%が「より精度が高く、一貫した回答を得られる」ことに期待を寄せた。

 実際の応対が消費者の期待値に届かず不満を抱いてしまった場合、消費者はどのような行動を起こすのか。

 「企業・団体に抱く印象を下げる」が30%、「セルフサービスに切り替える」が29%、「ブランドそのものとの取引を辞める」が22%だった。カスタマーサポートにおける“残念な顧客体験”により、顧客の離脱に直接つながることが分かった。

カスタマーサポートへのAI導入に対する期待

 同社は、日本の消費者におけるデジタル忍耐力の低さに対応するべく、顧客体験設計で4つのポイントが重要になると指摘した。

clarity:明確さ

消費者は常に「何が」「なぜ」行われているのかを正確に理解したいと考えている。プロセスをシンプルかつ透明に伝えることが重要。

choice:選択肢

AIと人間の間でスムーズな引き継ぎを求めている。顧客が自ら対応方法の選択肢を持てるようにする。

continuity:継続性

チャネル・担当者が変わっても、文脈を途切らせることなく、継続性を持って正確に応対を受けることが重要。

care:思いやり

スピード感は担保しつつ、信頼感と配慮を感じられる応対を実現する。

 「待ち時間だけではなく、相手への経緯や配慮を示す行動が重要となる。効率性だけでなく、顧客体験を重視したジャーニー設計を提供する会社が、顧客に選ばれる存在になるのではないか」(久保敦社長)

久保敦社長(編集部撮影)

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