マラサダのヒット事例は大手企業でもある。トリドールホールディングスから分社化したKONA’S(東京都渋谷区)が運営するハワイアン カフェ・レストラン「コナズ珈琲」では、こだわりのマラサダを店内とテークアウトで販売する。プレーンから食事系まで多くの種類を扱い、好評だ。
2025年7月には、丸亀製麺とコラボした「丸亀うどーなつ アサイーベリー味」の発売を記念した連動企画として、「マラサダ(アサイー)」を販売。コナズ珈琲では、これまで一部店舗のみでマラサダを販売していたが、同製品の発売を機に全国展開している。
ファミリーマートでは、2025年7月に実施したハワイフェアで「マラサダ(マカダミアチョコホイップ)」を発売。発売初週で50万個を販売し、ファミリーマートのパンカテゴリ内で週間の売上個数1位を記録した。
トレンドとまでは言えないものの、マラサダの知名度や人気は年々高まっているようだ。背景に、どんな理由があるのか。
「近年の売上増は、物価高などでハワイに行きづらくなったこととドーナツブームが関連しているのかなと思います。当社のマラサダは製法としては揚げパンですが、お客さまの多くは『ドーナツ』の部類だと考えていて、『ドーナツがトレンドだからマラサダも食べてみたい』と興味を持ったのかもしれません」(木村氏)
一方で、宮崎氏は「本場のマラサダの食べ方は、それほど浸透していない」と見解を示した。
「ハワイ好きな方は当然知っているのですが、そうでない多くの方の認識は、『ハワイのドーナツ』にとどまっているのかなと思います。カフェの運営を通じて、揚げたてを食べるマラサダの文化を根付かせたいですね」(宮崎氏)
ドーナツのトレンドは、「生ドーナツ」を中心に続いている。この波に乗って、マラサダの人気もより高まるかもしれない。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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