通常は限られた社員しか入れない「ブレンダー室」が特別に公開され、筆者は主席ブレンダーの輿石太氏から説明を受けた。ブレンダーとは、数百種類の原酒をテイスティングし、最適な配合を見極め、製品の味を決定する専門職だ。
場所も秘匿されているこの部屋で、ウイスキーの味が決まる。実験室のような空間は、温度計で管理された適温に保たれており、明るい照明は原酒の色を見分けるためである。五感を研ぎ澄まして、作業するための環境が整えられている印象だ。
部屋は大きく3つのエリアに分かれている。原酒評価エリアでは、ひとつのテーブルに約100樽分の原酒サンプルが置かれ、それぞれに蒸溜年や樽番号などが記されたラベルが貼られている。貯蔵庫から取り寄せた原酒を一つひとつテイスティングし、使用用途を決めていく。
ブレンド作業エリアでは、試作を繰り返しながら配合レシピを決める。バーコーナーでは、世界中のウイスキーが大量に陳列し、有名画家の絵画が飾られ、BGMが流れる落ち着いた空間だ。
実際の飲用シーンを想定し、ジョッキでハイボールをつくって試作品の品質を確認することもあるという。グラスを変えて何度もテイスティングを重ね、最終的な品質を見極めていく。
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