企業でのAI活用が進む中、経営層と現場の認識のズレが表面化している。データ活用プラットフォームを提供するドーモ(東京都千代田区)が調査を実施したところ、AIを「十分に活用できている」と答えた経営層は75.0%に上る一方、一般社員では48.0%にとどまり、27ポイントの差があった。
「十分に活用できていない」「全く活用できていない」と感じている一般社員は4割を超え、経営と現場の認識のズレが大きいと分かった。
個人のAI活用でも同様の傾向が見られた。「活用できている」と自認する経営層が71.5%だったのに対し、一般社員は30.2%という結果に。会社としてAI活用は進んでいるが、自分の仕事では使いこなせていないという実態がうかがえる。
AI活用の目的については、「日常業務の自動化・効率化」が全体の7割超でトップだった。一方、経営層では「売上向上や顧客体験の最適化」「マーケティング施策の改善」といった成長領域への期待が目立った。
成果についても認識の差が明らかになった。「業務効率化」や「生産性向上」は一定の成果が出ているものの、「売上拡大」や「新規ビジネス創出」は2割前後にとどまる。経営層が描くAIの将来像と、現場が実感する成果との間には隔たりがあるようだ。
こうしたギャップの背景にあるのが、戦略とビジョンの不透明さだ。AI導入の明確なゴールとロードマップが全社で共有されている企業はわずか15.0%。一般社員では8.2%にすぎず、現場まで方針が浸透していないことが分かる。
ドーモは「今後は売上拡大や新規事業創出といった価値創造へのAI活用が鍵になる」とし、そのためには「明確な戦略・ビジョンの共有に加え、散在するデータの統合や品質向上、AIとのリアルタイム連携といった基盤整備が不可欠だ」とコメントした。
調査は2025年9月3〜5日、従業員数300人以上の中堅・大手企業でAI導入している企業で働く900人(内訳は経営者・役員・経営企画200人、情報システム・IT・DX部門200人、一般社員500人)を対象に実施した。
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