「柏市は人口増と人口減少の2つに頭を悩ませるという、珍しい現象が起きています。柏の葉キャンパス駅周辺では小学校の過密化といった問題が生じている一方で、柏市南部の小学校では子どもが少なくなって困っています。この地域から柏の葉へ転居する人がかなりいるからです。本来であれば市は過疎化が進む地域に予算を組んで、住民が定着するような施策を打つべきですが、柏の葉キャンパス地区ばかりに巨額な税金が投じられている。これは行政の公平性の観点から問題があります」
巨大なハコモノやマンションを建てれば、三井不動産のような巨大開発企業はもうかる。地域の外から新住民を呼び込めるので、自治体としてもウハウハで、そういうエリアに税金を集中的に投入していく。
つくばエクスプレス線「柏の葉キャンパス」駅徒歩1分の場所に2025年9月オープンした総戸数629戸の大規模免震タワーマンション「パークタワー柏の葉キャンパス」イメージ(出典:三井不動産のプレスリリース、以下同)パッと見、素晴らしい「人口減少対策」のように思えるが、そのエリアのにぎわいは周辺地域や近隣自治体のゴーストタウン化を進めるので結局、何の問題解決にもなっていない。これからの日本は、東京圏を除けば、確実に人口減少が進むので、ハコモノをつくっても利用者・納税者が激減して「不良債権化」することは分かりきっている。
にもかかわらず、自治体は「ハコモノ」路線をやめられない。背景には、政治家の選挙事情がある。首長でも議員でも巨額の開発を進めれば、建設・開発業者など地元企業はホクホクだ。対象地域の住民からも支持を受けられる。そういう「政治生命」がかかっているので、開発計画がどんなに無謀で、どんなに赤字が見えていても鉛筆ナメナメでゴリ押しをするのだ。
といってもピンとこない方も多いと思うので、分かりやすいケースを出そう。現在、さいたま市大宮区周辺で推進されている「地下鉄7号線延伸計画」だ。
本計画では埼玉高速鉄道の浦和美園駅から東武鉄道の岩槻駅まで、約7.2キロの距離に地下鉄を通す。中間地点に駅を設け、医療機関なども誘致して「住宅中心のまちづくり」を進めていくというもので、20年以上前から構想はあったが、なかなか前に進まずに「塩漬け」されていた。
理由は「巨額の建設費」である。
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