つまり、北広島市で人口が減っていたのはボールパークのような「目玉施設」がなかったからではなく、ロケーション面で子どもや若年層が札幌へ流出してしまうからだ。2025年2月に改訂された「北広島市人口ビジョン」にも、しっかりとこう記されている。
「今後も人口減少が続き、2050年には4万3677人となり2024年より22.8%減少すると推計されています」(出典:北広島市「北広島市人口ビジョン」より)
こういう未来が見えているのだから、本来は人口4万人時代の到来に備えたまちづくりをしなくてはいけない。巨額な公金を投入するハコモノ行政を見直して、財政とまちづくりの双方をできるだけコンパクトにする。そして、移住者や子育て世帯に徹底的に手厚いサポートをして「住んでよかった」と思える施策を充実させる。また、カネのかかるハードではなく、自然、文化、地域の名産品などソフト面を磨き上げて、少ない人口でも収益を生み出せる高付加価値の産業を育成していくのだ。
しかし、実際はその「真逆」へ行ってしまった。多額の公金を投入して、ハコモノをつくり新住民をどこかから奪ってこようとする。そして、その人たちを定住させようとするためにさらなる開発へとのめり込む。納税者がすさまじい勢いで激減していく、という現実から目を背けたまま。
ただ、こうなってしまうのも無理もない。一度走り出してしまった巨大開発プロジェクトというのは「ブレーキが壊れたダンプカー」だからだ。特に巨大な「建設利権」ができ上がってしまった場合、これで多くの人がメシを食い、家族を養い、住宅ローンを組むので、これに手を突っ込むのはほぼ不可能だ。
「いやー、ごめんごめん、思っていたより人口増えないから計画見直すわ」などと言い出そうものならば、怪文書が飛び交い、週刊誌にスキャンダルが掲載され、脅迫や中傷を受ける。日本に根強く残る『土着利権』とは、そうした性質を持つのだ。
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