1月27日付の『朝日新聞』の報道によると、さいたま市と埼玉県がまとめた計画の素案によれば、開業目標は2041年、事業費の総額は約1440億円だという。
ただ、これだけの巨額のカネを投入して15年後に地下鉄が通っても、黒字化できないのではないかといわれている。背景にあるのは、「人口減少」だ。さいたま市は全国の中でも人口が増えている「優等生」だが、やはりこちらも人口増加は大宮駅周辺が中心で、その他の地域では伸び悩んでいるからだ。
例えば、さいたま市は過去に、1025億円もの予算を投じて、今回地下鉄を通す岩槻・浦和美園の人口を増やそうとしたことがある。そこで2017年度に1万1700人だった岩槻駅周辺の人口を2022年度には5400人増やす目標を掲げたのだが、実際には200人しか増えなかった。
ということで、この延伸計画はなかなか進まなかったが、2025年に入って大きく前進した。確かに巨額の建設費がかかることは間違いないが、さいたま市が「中間地点にできる駅」の規模を再検討したところ、なんと黒字化できそうだというのである。当時の報道を引用しよう。
《「『45〜65ヘクタール規模の街に最大4000人が定住する』としてきた想定は再検討の結果、『最大で120ヘクタールに1万人が定住』と2倍以上の規模に拡大された」(2025年5月16日 読売新聞オンライン)
先ほども申し上げた通り、さいたま市は岩槻駅周辺の人口を、5400人増やす目標さえも達成できていない。にもかかわらず、地下鉄7号線が通って駅さえできれば、あれよあれよという前に1万人が定住して、投じた1440億円も回収できるというのだ。これはさすがに経済を、世の中をナメすぎではないか。
ただ、これはさいたま市に限った話ではない。「人口減少に対応したコンパクトシティ」「持続可能な社会を目指す」という耳障りのいいスローガンがちまたにあふれる一方で、地方に行けば「何かしら巨大なハコモノさえつくっちまえば、街ににぎわいが生まれて人口が増える」という高度経済成長期のようなノリがいまだに続いているのも事実だ。
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