年間「11万時間」削減を社員が実感 クレディセゾンが“AI活用のゴールを決めない”理由(3/3 ページ)

» 2026年02月26日 06時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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AI活用は働き方の再定義

 ChatGPT Enterpriseを全社員に配布したクレディセゾンだが、今や他のAIも積極的に使い分けている。

 資料作成や画像生成はGoogleのGeminiとNotebookLM。エンジニアにはAnthropicのClaude CodeやOpenAIのCodex、M365ユーザーにはMicrosoft Copilot。ChatGPTを全社の基盤としながら、用途に応じて最適なツールを組み合わせる「マルチAI」の体制が整いつつある。

 この柔軟さには理由がある。「去年の夏はChatGPT最強と言われていたのが、秋にはGoogle最強になって、今はAnthropicが最強という声が多い。次の夏にどうなっているか、全く分からない」と小野氏は言う。1つのツールにフルコミットする発想自体が、この変化のスピード感とそぐわないという考えだ。

全社の基盤はChatGPTとしつつ、資料作成にはGemini・NotebookLM、開発にはClaude CodeやCodexを組み合わせる「マルチAI」体制が整いつつある

 AI変革の進捗を問われると、小野氏は「何合目とは答えられない」と即答する。山であれば頂上が決まっているが、AIの世界では1カ月後にモデルが刷新され、前提が変わってしまう。

 「何合目というゴールを決めてそこから逆算すること自体が、この領域では不適切だと思っている

 ツールを配ることは出発点に過ぎなかった。「組織のOSを書き換える」とはそういうことだと、半年を経て小野氏は改めて語る。クレディセゾンの変化は、AIの使い方ではなく、働き方の再定義として進んでいる。

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