常に目標を達成させる「常勝集団」をつくるために、キラキラしたビジネスtipsは必要ない。組織マネジメントを専門とする横山信弘氏が、本質的なマネジメント論を「キレイごとナシ」で解説する。
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
「うちのチームは、みんな仲がいいんです」
「雰囲気はいいですよ。誰も文句を言わないし」
ある自動車部品メーカーの営業部長(52歳)は、誇らしげにそう言った。しかし私には、その言葉が引っかかった。
「部下が意見を言ってくることは、ありますか?」
「いや……あまりないですね。みんな従順で助かってますよ」
「上司であるあなたは、部下に厳しいことを言えていますか?」
「ハラスメントになると困るので、最近は控えています」
こんな状態は果たして、心理的安全性が高い組織と言えるだろうか? 一歩間違えれば「ぬるま湯組織」だ。実際に、ここ数年新人の営業成績は低下しているようだ。技術部でも、過去にはあり得なかった品質管理の問題が顕在化しはじめている。
そこで今回は「心理的安全性の高い組織」と「ぬるま湯組織」を分けるたった1つの違いについて解説する。自分のチームが本当に機能しているのかどうか不安なマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
まず前提として確認したいことがある。「心理的安全性」という言葉に含まれる「安全」は「安心」とは異なる概念だ。
安心かどうかは個人の主観で決まる。しかし安全かどうかは、客観的な基準によって証明される。労働安全や情報セキュリティーに関わる専門家が資格を求められるのも、そのためだ。
したがって「安全だから安心だ」という表現は成立するが、逆は成立しないのだ。
心理的安全性が高い組織とは「みんなが安心できる居心地のいい職場」ではない。どんな立場の人間でも、自分の意見や懸念を表明できる「客観的な安全性」が担保された組織のことだ。
この違いを理解していないマネジャーが、職場を「ぬるま湯」にしてしまう。
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