Amazonの意思決定のもう一つの特徴は、撤退判断を支える具体的な数値の存在です。
一例として、Dash Cartの利用効果数値(10%の買上増、98%の顧客満足度、80%超のリピート率)は、Amazonが自ら公表したものです。この数値があるからこそ、「Fresh店舗のJWOをDash Cartに切り替える」という判断が社内外に説明可能になる。数値が先にあり、撤退判断がその帰結として導かれるのです。
もう一つの特徴は、前編で詳述したFreshの実店舗スーパーマーケットとしての撤退と、Whole Foods集中投資を同時に示した判断です。Go、Freshの撤退は食品小売からの撤退ではなく、「自社ブランドの実験店舗」という手段の撤退でした。
同じ公式発表の中でAmazonは、自社の食料品事業の現在地を数値で明示しています。
100店舗以上のWhole Foods新規出店計画、イリノイ州の22万9000平方フィート(約2万1300平方メートル)の新業態、Whole Foods Market Daily Shopの拡大といった次の一手は、これらの数値から導かれたものです。
「何をやめるか」と「何に集中するか」を同時にデータで示せることが、データに基づく意思決定というAmazonの組織文化を象徴しています。
レジなし店舗「Amazon Go」撤退が、「失敗」ではないこれだけの理由
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