シコメルはイートイン業態の飲食店をターゲットにしたビジネスだったものの、コロナ禍では異なる需要を獲得できた。
「当時、店舗の運営が制限されてきた中で、デリバリーを複数ブランド運営する『バーチャル・レストラン』と呼ばれる業態の飲食店が増えていました。シコメルは、こうしたバーチャル・レストランにも仕込み済み食材の提供というかたちでお手伝いしていました。他にも通販やEC、クラウドファンディングの商品製造などもしていました」
学生時代から飲食業界で多くの店舗と関係構築ができていたことに加え、川本氏はリクルート時代に飲食事業に関わっていたこともあり、営業活動はスムーズだった。話に行くと「そんな仕組みできるの?」というポジティブな反応が多かった。
「大手は自社工場を持っていたり、海外で作ったりできますが、中小の飲食店で注文の翌日に商品を受け取れるというスピード感や、そういったプラットフォームが使えるのは初めてのことだったと思うので、営業時の感触はよかったです」
以前からのつながりとコロナ禍でのデリバリーニーズを獲得できたことが追い風となり、初年度から売上高2億円を達成した。しかし、飲食店側の時短営業や営業自粛などもあり、シコメルでイートイン業態の飲食店の業務を楽にするという理想からは距離があった。そこから3年間、もどかしい日々が続いた。
しかし、その期間も歩みを止めなかった。2022年2月には有名レストランやシェフのレシピを元に再現した仕込み済み商品や、カット肉・野菜、ソースやタレなどを発注できる「シコメルストア」をリリース。同年の売上高は6億円に到達した。
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