発売当初から、売れ行きは好調だった。通常は1〜2カ月で売り切る初回ロットが1週間で完売。追加生産まで約2週間を要したため、一時は予約販売で対応せざるを得ないほど、反響は大きかった。
要因の一つは「モスバーガーがのり弁を出した」という意外性だ。同社のECは、自社アプリやメルマガなどで集客しており、大規模な広告は打っていない。だが、意外性のある商品として外部メディアに広く取り上げられたことで、普段、モスを利用しない層にまで届いた。
パッケージの変更も影響した。従来の冷凍ライスバーガーの個包装デザインにはイラストを使用していたが、外販先のスーパーから「イラストでは食品は売れない」と指摘され、のり弁から実物写真に切り替えた。
中野氏は「おいしそうという声が多く、視覚で伝わるパッケージの重要性を実感した」と語る。実物写真の”シズル感”が際立ち、購買意欲をかき立てたようだ。同社は今後、EC全商品のパッケージを実物写真に変更していく方針だ。
加えて、のり弁そのものへの関心の高まりも追い風になった。近年は高級路線の専門店が登場しているほか、大阪・関西万博では、ほっかほっか亭の「のり弁」を含む「ワンハンドBENTO」シリーズが22万食を超えるヒットを記録するなど、のり弁は「安い弁当の定番」から1つの食ジャンルとして広がりを見せている。こうした流れの中で発売されたことも、注目を集めた一因だ。
顧客層を見ると、従来のEC購入者は40〜50代の女性が中心だったが、のり弁の登場後は30代女性の購入が増加。同社が目指す「子育てやキャリアに忙しい世代への訴求」に近づいた形だ。
ギフト需要の取り込みも進み、2025年11月に発売した6000円の「炭焼き 国産鰻重バーガー」(限定1000セット)は、1週間で完売するなど、EC事業の幅が広がっている。
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