ソニーがレコードプレーヤーの新商品を発売した背景の一つに、市場の拡大がある。日本レコード協会によると、2025年の国内アナログレコード生産金額は、1988年以来37年ぶりに80億円を超えた。数量・金額ともに5年連続のプラス成長で、この流れは欧米を中心に世界的なトレンドとなっている。
三浦さんは「10年前はLP盤の売り上げランキング上位のほとんどが往年の名盤だった。今は、トップ20のうち名盤は1〜2枚で、ほとんどが新譜」と指摘する。海外に目を向けると、テイラー・スウィフトやレディー・ガガなど、人気アーティストがLP盤を積極的に発売するようになり、購買層の若年化も後押ししている。
アーティスト側の意識の変化もあるという。数年前までは、デジタル版の数カ月後にLP盤を出すのが一般的だったが、現在はほとんどのアーティストが同時発売に切り替えている。「アーティスト側がLPをおまけではなく、ファンに思いを届ける大事なツールとして捉えるようになっている」(三浦さん)
こうした市場環境の変化に加え、新モデルの開発を後押ししたのが前モデル(PS-LX310BT、希望小売価格4万2900円)の異例ともいえる売れ方だった。
通常、ホームオーディオ製品は発売直後に売り上げのピークを迎え、その後は緩やかに下降する。しかし前モデルは年を追うごとに伸び続け、購買層もZ世代を中心に若年層へ広がっていた。
実際、ソニーの2024年度におけるレコードプレーヤー売上高は、2019年比で約2倍に伸び、2025年度も計画比を上振れる見込みで推移するなど好調だ。1機種では需要をカバーしきれないと判断し、ターゲットを分けた2機種の投入に至った。
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