実際、どれくらいの値上げになるのか。東京〜新宿間の運賃は改定前、交通系ICカードで208円だったが、制度見直しと値上げにより253円へと45円上がった。通勤1カ月定期も6290円から7840円に引き上げられている。
こうした大幅な値上げは、利用者にとって負担が大きいのは確かだ。ただ、客観的に見れば、首都圏は人件費や動力費が最もかかるエリアでもある。年間使用電力量57.6億kWhのうち、約3分の2に当たる37.9億kWhが首都圏で消費されている。受益者負担という考え方も、一定の理解は得られるだろう。
今回の値上げにより、東京〜新宿間では東京メトロ丸ノ内線(IC運賃209円)への利用者シフトが起きるとの見方もある。ただし、東京メトロもコスト増という事情は同じで、2023年にはすでに運賃改定を実施している。足元では利用者数の回復に支えられ、当面は再値上げを見送る方針とされるが、少子高齢化の進行や原油価格の上昇が続く中、人件費や動力費の負担にどこまで耐えられるかは不透明だ。
こうした事情は他の鉄道会社も同様で、コスト増への対応に苦慮している。「運賃値上げ時代」は、これからさらに加速するのではないか。
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