GOATによって、新たな書き手との接点も続々と生まれた。ある作家からは「今、一番書きたい文芸誌」と言われ、その数カ月後には販売部数の多さから「書くのが怖い文芸誌」と言われたこともあったという。
さらに、GOATは文芸誌の枠を超え、多角的な広がりも見せている。想定外だったのはキャラクターのGOATくんの人気の高さだ。ぬいぐるみなどの販売に加え、読書をするための宿泊施設「BOOK HOTEL 神保町」「BOOK HOTEL 京都九条」では、壁一面にGOATくんのイラストが入ったコラボルームが展開されていた(現在は終了)。
「小説を読むには、1人で本に向き合う時間や、ある程度の読書筋力が必要になります。そこが敬遠されてしまう部分だと思うので、そのしんどさをさまざまな方法で取り払っていきたいです。一度小説が面白いという体験をしてくれた人は、きっと新たな本の読者になってくれるはず。そう信じて、これからも試行錯誤を続けていきます」
GOATが示したのは、小説は「売れない」のではなく、「届け方」が問われているという事実だ。若者の読書離れが指摘される中でも、体験として提示できれば、小説は十分にエンターテインメントになり得る。「本を読んでいる若者がかっこいい」――そんな新たな文化が根付く未来はそう遠くないのかもしれない。
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