こうした事業の安定性や利益率の違いが、株価にも大きな影響を与えていると考えられます。それは株価収益率(PER)を見ても明らかです。
PERは、将来の利益成長に対する市場の期待を映す指標です。過去8年間の推移を見ると、明治HDも比較的高い水準にあるものの、ヤクルトはそれをさらに上回り、30倍以上という高い評価を受けていました。
PERが高いということは、市場が将来の成長に大きな期待を寄せていることを意味します。ヤクルト1000などの高付加価値の商品を展開し、中国市場での売れ行きも好調であったことが、この高水準のPERにつながっていたと考えられます。
しかし、前述のような、中国市場での低迷やブランド力の相対的な低下といった懸念材料が顕在化。「このPERの水準は正当ではない」という見方が広がった結果、PERが下がり、株価の下落につながったと考えられます。
投資家が評価するのは、一時的なヒット商品による高収益に頼るビジネスモデルよりも、長期的に安定して利益を生み出せる構造です。ヤクルトのPERが30倍を超えていたときは、ヤクルト1000のヒットや中国市場での利益成長が続いていくことを株価に織り込んでいました。しかし、中国市場での失速や、次に期待できる成長市場が見えにくく、株価の下落につながったと考えられます。
一方で、食品事業に加えて、景気に左右されにくい医薬品という収益源を持つ明治HDは、この「収益の持続可能性」が評価されています。
こうした収益構造の違いが、結果的に現在の両社の株価推移の差につながっていると考えられます。
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