ここで参考になるのが、近年、ショッピングモールなどで急増しているカプセルトイ専門店である。すでに各種報道で指摘されているように、カプセルトイ専門店は好調で、各地で出店が続いている。
カプセルトイは非実用品であり、必要に迫られて買うものではない。しかも、何が出るか分からないというランダム性そのものが商品価値の一部になっている。この点で、カプセルトイ専門店もまた、予定になかったものに出会う空間である。
ただ、カプセルトイ専門店はヴィレヴァンと違って、店内装飾に大きなコストをかける必要がない。提供形態もシンプルで、少人数でも運営しやすい。コロナ禍で空いた区画への居抜き出店も多く、低コストで運営しやすい仕組みができている。
つまり、問題は、その空間をどう設計し、どう維持するかにある。ヴィレヴァンがつまずいたのは、ここにある。
いまは人件費や賃料の上昇によって、リアルな空間を維持すること自体が重い負担になっている。そうした環境の中で「偶然の出会い」を成立させるには、理念をぶち上げるだけでは不十分である。それを持続可能にする運営上の仕組みが必要になる。
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なぜパチンコ店の飲食は成り立つのか “3分で出す”とコスト70%のしくみCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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