「何寝ぼけたこと言ってんの? 面接以外でどうやって人を採用するんだよ」と冷笑する人も多いだろう。
NPO法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」(略称:DSS)代表の辻田一朗氏、人材研究所代社長の曽和利光氏による共著『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(星海社)では、さまざまな採用選考の「妥当性」を比較している。ここでいう「妥当性」とは、その選考手法によって高く評価された人が実際に仕事を行う際に高い成果を出すかということだ。
そこで、SPIの能力適性検査のような認知的能力テスト、実際に仕事をやってもらうワークサンプル、仕事のシミュレーションをやってもらうシチュエーショナルジャッジメントなど、さまざまな採用選考を比べてみると、最も妥当性が低いのは「非構造的面接」だった。
「非構造的面接」とは、「候補者ごとに違った質問をして反応を見る」ということなので、これが通常の企業で行われている面接です。つまり「面接」は最も精度が低い選考方法だったのです。(文春オンライン 2021年10月26日)
ちなみに面接には質問内容やテーマ、回答方法、情報収集、評価方法などを明確にルール化して行う「構造化面接」というものがあって、こちらは精度が高いとされている。しかし、同書によれば、日本企業で「構造化面接」を採用しているのは一部の先進的企業を除いて、ほとんどないという。
このような研究結果から分かるのは、日本企業の人材採用は「博打」のようなものだということだ。「あの新入社員、役員面接でも全員が大絶賛したらしいぞ」なんて“期待の大型新人”が下馬評通りに活躍してくれるのか、「やっぱうちの役員は人を見る目がねえな」と話のネタにされるような「期待ハズレ社員」になるのかは「運任せ」なのである。
そして、そんな面接という「期待ハズレ社員」を大量に生み出してきた採用システムが、昨今は若者の「倍速退社」を促している面もあるのだ。
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