オバケ調査の手順については先述したが、では調査完了後に物件オーナーはどのようにその部屋を運用していくのか。
カチモードから物件オーナーに発行する「調査報告書」は、不動産取引における告知義務、つまり事故物件であることを正式に説明した記録としても機能する。この報告書を活用し、最大100万円の懸賞付きの部屋として、家賃を下げずに入居者を募集する運用をカチモードでは提案している。
不動産管理会社でのキャリアを持つ児玉氏が、物件そのものに不備がないことを確認しているため、オーナーは安心して物件を貸し出せる。入居者も、自身が告知後初めての宿泊者ではないという安心感に加え、懸賞金を獲得できるメリットがある。このように、事故物件という負の資産を「価値ある資産」へと転換していく。
この提案がオーナーに刺さる背景には、事故物件が抱える深刻な経済的損失がある。冒頭で紹介した通り、事故物件の場合、入居者確保のために全国的に家賃を2〜3割引き下げるケースが一般的だが、それでも最大3年近くにわたって空室になることも珍しくない。
「安易な値下げによって、数百万円単位で資産価値を失っているケースも少なくありません。物件の価値低下に比べて、オバケ調査の費用は決して高くないと感じてもらえる料金に設定しています」
調査価格は、1日稼働で8万円(税抜き)。東京都内の1K・1Rの平均賃料を基準にすることで、「1カ月分の空室損を受けたと思って調査を受けてみませんか?」という説明がオーナーや管理会社の理解を得やすいという。
なお、オバケ調査の中で、実際にオバケを発見した場合、カチモードがその物件を借り上げて継続的に調査を実施するケースもある。その調査結果を踏まえ、事故物件という希少性を生かした運用を設計し、オーナーに提案していく。
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