ニトリHDは2032年のビジョンとして「売上高3兆円・3000店舗」を掲げる。現在の売上高約9280億円から7年で3倍以上にする計画だ。達成には国内・海外の両輪が力強く回る必要があるが、国内は既存店の客数減が止まらず、中国は事実上の縮小モード、島忠の再建も道半ばだ。
似鳥会長は「ここ数年は原価対策に時間をとられて、新機軸の商品が乏しかった」と認め、商品改革への注力を宣言した。円安とコスト増で守りに回り、攻めの商品開発に資源を割けなかったことが、停滞の一因とみられる。
だが、真の問題はもっとシンプルかもしれない。似鳥会長の相場を読む力への信頼が揺らいでいることだ。
2026年3月期は1ドル147.65円の為替レートを前提とした業績予想を行っている。実際にこの水準、あるいはそれ以上の円高が訪れれば、業績の急回復とともに「やはり会長の読みは正しかった」と、企業価値が再評価される可能性は十分にある。
逆に言えば、さらに円安が続くなどして似鳥会長の相場観への信頼が回復しなければ、さらに安値を記録する可能性すらある。
似鳥会長の神通力はまだ残っているのか。そして、「増収増益」路線に再び戻すことができるのか。ニトリHDの底力が問われている。
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