評価への不満が顕在化した背景には、給与情報の透明化も関係している。SNSや企業口コミサイトにより、同業種・同職種の給与水準を簡単に把握できるようになった。
若い世代は、同僚同士で給与を話し合うことにも抵抗が薄いという。桜井氏は「30〜40代にはあり得なかった話だが、今は『ウチのほうが損だ』という会話が普通にされている」と説明する。上昇志向というよりも「自分が損したくない」という意識が根底にあるようだ。
dodaの調査によると、入社直後の4月に転職サービスに登録する新社会人の数は、2011年比で31倍に増加するなど、転職へのハードルも低下している。評価への不満が「次の職場を探す」という行動に直結しやすい時代になっているようだ。
企業に求められるのは、給与額の引き上げだけではない。「なぜこの評価なのか」を伝える仕組みと、成果が処遇に反映される制度の整備だ。従業員から課題を洗い出したり、1on1研修を実施したり、対応策に動く企業は増えつつあるが、実態としてはリソースに余裕のある大企業が中心で、中小企業では現場任せのケースが多い。
問題は「評価の金額」ではなく、「評価の納得感」にある。AIの普及によって個人間の生産性の差が広がれば、制度の見直しはさらに急務になる。評価制度のアップデートは、人材の獲得と定着の両面で企業の競争力を左右するテーマになりそうだ。
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