そもそも人手不足に加え、労働時間や作業内容への制約も無視できないものになってきた。
倒産による返金トラブルがあった整備工場や自動車販売店は、コロナ禍などによる業績低迷、収益悪化のため借り入れを繰り返していたと思われる。その結果、経営が立ち行かなくなり、顧客の信頼を利用して代金を全額前払いさせ、そのお金で自転車操業をしていた可能性が高い。
被害者にはそうしたそぶりを見せずに商談し、代金を全額前払いで振り込ませていたとしたら、詐欺罪に問われる可能性もある。あるいは、従業員は経営状況などを知らされず、売り上げ確保のためにセールスにまい進していたのであれば、倒産による被害者はユーザーだけではないだろう。
自動車ディーラーならそのようなリスクはない、とは言い切れない。企業規模が大きいほど、そうしたリスクは小さいが、決してゼロではないのだ。
自動車メーカーの資本が入った販売店や、地域密着の大規模な販売会社グループは経営が安定しており、金融機関からの借り入れや支援も受けやすいが、中小企業はそうとは限らない。
自動車産業は100年に1度の大変革期に入ったが、それは技術開発や生産の分野だけでなく、販売や保守においても大きくスタイルが変わっている。これからはますますSNSやネット上の口コミなどの評判が大きな影響を与えることになるだろう。
日常的な接客やサービスを軽んじると大きな損失につながるかもしれない、ということだ。もっとも、これは整備工場に限らず、どんな商売でも通じる。
これまで修理技術や信頼関係で安定していた整備工場も、人手不足やクルマの複雑化といった環境の変化に対応するだけでなく、常に新規顧客の獲得を目指す必要が出てくる。それに対し、顧客はお店の信用をネットの評判で判断する傾向がますます強まるのは間違いない。
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は自動車情報サイトEFFECT(https://effectcars.com)、クラシックミニ専門サイト(https://classicmini.jp)を主宰するほか、ベストカーWeb、Yahoo!ニュース、ITmedia ビジネスオンラインなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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