現状、ノープの購入者は男性が約7割を占めている。これは、既存の炭酸カテゴリーと同様の構成比だ。ただ、年代別で見ると、20〜30代の比率が既存製品よりも高い。さらに、40〜50代も十分に獲得できているという。この結果を、大槻氏はどう捉えているのか。
「流通チェーン側の初週に対する期待値が高かったので、ある程度の本数には到達するだろうと予測していましたが、発売後にさらに話題になり、ドライブがかかった結果、想定より早く2000万本に到達できました。過去の製品でいうと、2012年に誕生した『オランジーナ』(現在は休売中)の発売時と、勢いや売れ行きの波形がかなり近いですね」
なぜノープは、これほど注目されたのか。
「何味の炭酸と言い切らず、『ギルティ』という言葉を使って、お客さま自身に想像してもらえる余白があったこと。そして、色合いやフェイスアイコンなど世界観がハッキリしていて、一度で覚えていただけたことで、話題のタネになったのだと思います。そうして注目された結果、『1本買ってみよう』と思った方が多かったのかもしれません」
味わいの賛否両論については、発売直後のお祭り的な雰囲気を踏まえ、まだ全てをうのみにする段階ではないと考えているそうだ。「より深い調査を重ねて、改善すべき点を検討したい」と大槻氏は話した。
今後、最大の課題となるのは「定着」だと想定される。飲料業界は、100の新製品を出しても1つも残らない世界であり、定着が難しいのだという。サントリーが狙う利用シーンは、ダラダラと過ごす“サボり時間”だ。こうしたニーズは続くとして、利用シーンとセットでの定着を狙う。
「ストレス社会は続いていくでしょうし、それを解消する一つのキーワードとして、『ギルティ消費』が引き続き伸長すると考えています。人生にとってのサボり時間は、全てノープを手に取ってもらえるチャンスとして、訴求を継続していきます」
サントリーにおいて、今年最大の注力商品と位置付けられたノープ。中長期的な目標では、1000万ケース(2億4000万本)を掲げる。マーケティングの好例とも評価されている同ブランドの行方に、多方面から熱い視線が注がれている。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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