LINEヤフーは4月20日、新たなAIエージェント「Agent i」を発表した。「LINE」「Yahoo! JAPAN」などの同社サービスから起動でき、チャット形式で「買い物のサポート」「旅行ルートの提案」「株価に基づくファイナンス支援」などを支援する。
同日の発表会に登壇した同社の慎ジュンホ氏(CPO:最高製品責任者)は、米OpenAIの「ChatGPT」や米Googleの「Gemini」との差別化について「既存のAIエンジンだけでは実現できない、LINEヤフーの強みがあります」と語った。
AIエージェントの提供で後発となったLINEヤフーは、国内市場における優位性をどこに見いだしているのか。
Agent i最大の優位性として同社が挙げるのが、既存ユーザーの数だ。LINEは月間アクティブユーザーが1億人を超え(2025年12月末時点)、Yahoo! JAPANの日間ユニークブラウザ数は1億500万ブラウザに上る(四半期平均)。普段使いするツールの延長でAIエージェントが使えるようになるといい、慎氏は「全ての場面で日常生活に寄り添うサービスにすることを目指します」と意気込んだ。
同社は100以上のサービスを運営しており、ニュース、天気、ショッピング、金融など日常生活に必要な情報をそろえている。親会社であるソフトバンクとのシナジーも活用して「PayPay」など決済サービスや通信キャリアとの連携も検討している。
法人向けサービス「LINE for Business」にひも付く企業の「公式LINEアカウント」の数が100万以上ある。Agent iと接続させることで「店舗の予約」「企業への問い合わせ」もサポートできるようにする見込みだ
「LINEヤフーは、AIエンジンだけでなく、実際にユーザーが日常生活で必要なサービスとデータベースを保有しています。コンバージョン(目標達成)まで完結させられるのは、既存のAIエンジンだけでは難しいでしょう」(慎氏)
同社は、Agent iを無料で提供する。高機能なサービスを有料会員サービス「LYPプレミアム」の登録者向けに提供したり、AI向け広告メニューを検討したりして、コストバランスを保つと慎氏は説明する。
一般ユーザー向けのAgent iに加えて、法人向けサービスも提供する予定だ。LINE公式アカウントの対応をAIが担う「LINE公式アカウント AIモード」、店舗の電話対応をAIで代替する「LINE AI予約」、マーケティング施策や広告運用を支援する「Agent i Biz」を用意している。既にサントリーやセブン‐イレブン・ジャパンなど20社以上に試験提供している。
同社は、2026年上期中に20以上のエージェントの実装を目指す。慎氏は「誰でも使える『エージェント作成ツール』を提供して、数万のエージェントが動く仕組みを目指します」と意気込む。Agent iによって、国内ユーザーのAI利用を加速させられるか。
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