米OpenAIが、動画生成AI「Sora」の機能をチャットサービス「ChatGPT」に統合する方針であることが明らかになった。
3月に米The Informationが報じたもので、同社は今後、ChatGPT内でSoraの動画生成機能を提供していくとみられる。
Soraは2024年に公開された動画生成AIで、2025年には専用アプリもリリースされた。アプリはTikTokのような動画フィード形式を採用し、ユーザー同士がAI動画を投稿・共有できる設計だった。しかし報道によると、公開当初はApp Storeランキングで首位を獲得したものの、その後利用は減速し、165位付近まで順位を落としている。社内でも動画を公開投稿するユーザーはごく一部にとどまっていたという。
こうした状況を受け、OpenAIは戦略を修正。動画生成を独立サービスとして育てるのではなく、主力プロダクトであるChatGPTに組み込む方針へと舵を切ったとみられる。
ChatGPTの週間アクティブユーザーは現在約9億2000万人とされ、同社は10億人規模への拡大を目標としている。動画生成機能を追加することで、ユーザーの利用頻度や滞在時間を高める狙いがある。
背景には競争激化もある。米GoogleのGeminiアプリはすでに動画生成AI「Veo」を搭載しており、AIアプリの機能競争は急速に広がっている。OpenAIはChatGPTを中心に機能を統合することで、ユーザー基盤を守ろうとしている。
もっとも、OpenAIのプロダクト戦略はここ数カ月で揺れている。ChatGPT内でのショッピング機能の導入計画を撤回するなど、方向転換も相次ぐ。
今回のSora統合も、独立アプリ戦略が期待ほどの成果を上げなかったことを示唆する動きと言える。
さらに動画生成の拡大は計算コストの増大を招く。OpenAIは2030年までにAI推論コストとして2250億ドル以上を費やす可能性があると試算している。
AI機能を次々と投入する一方で、どのプロダクトに集中するのか。SoraのChatGPT統合は、OpenAIが試行錯誤の末に再び「ChatGPT中心戦略」に回帰しつつあることを示している。
本記事は、エクサウィザーズが法人向けChatGPT「exaBase 生成AI」の利用者向けに提供しているAI新聞「ChatGPT集中へ戦略転換 Sora統合が示すOpenAIの『迷走』」(2026年3月12日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。
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