「当社は、国内外に約300店舗ある『ドクターストレッチ』の運営をはじめ、健康産業を主軸にしています。そうした企業がリゾートホテルを手掛けるのは、ちょっとおかしい。加えて、この場所には人を浄化するようなチカラがある。それならば、思い切って“ウェルネスホテル”として打ち出そうと考えました」
当時は「ウェルネスツーリズム」という言葉が浸透しておらず、「リトリート施設」としてアプローチ。「非日常の空間で心身をリフレッシュし、腸内環境など体の内側を整えるための旅」と打ち出し、ターゲットも都心でバリバリ働く20代後半〜60代の女性に変更。宿泊料金の値上げも実施し、1泊当たりの客単価を1万4000円引き上げた(食事込み)。すると、メディア取材が急増した。
「口コミ評価が下がる中、メディアでたくさん取り上げていただき、WebサイトのPVが上がっていきました。広告費を削減したのにもかかわらず、PVは伸び、健康意識の高い男女ペアのお客さまが、次々と訪れるようになったのです」
リトリート施設というアプローチがターゲットの女性に届き、彼女たちがパートナーを連れて訪れるようになったという。
コンセプトの変更に伴い、サービス面も一部変更した。最も分かりやすく変えたのは「接客スタイル」だった。
「以前は高級リゾートらしく、きっちりした接客をしていたのですが、フレンドリーな接客スタイルにしました。ヨガやピラティスのスタジオで受けるような。そうしたら、以前は多かったクレームがゼロになりました。きっちりした接客だと完璧さを求められますが、フレンドリーに変えたら『人間らしさがあって、1人1人が考えながら働いていていいね』と評価をいただけたのです」
料理やアクティビティーは、何も変えていない。だが、「伝え方」を変えたことで満足度が上がっていったという。
「料理は『おいしい』ではなく、『体にやさしい』という表現にしました。料理は全体的に薄味で、以前は低評価だったのですが、『体にやさしい薄味にしています』と伝えると納得していただける。アクティビティーも『豪華クルージング』と訴求していたものを、『自然を通じてクレンズするウェルネス体験』としました」
こうした取り組みにより、顧客の反応が徐々に変化。「非日常の体験だね」「こういうのをリトリートって言うんだね」と、前向きなコメントをもらえるようになった。結果として、2年目には減価償却費約5000万円を除いたEBITDAベースで黒字化を達成。つまり、5000万円のマイナスをプラスに逆転したわけだ。
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