開業初年度は1億円赤字 奄美のホテルが“癒し路線”で再生したワケ(4/5 ページ)

» 2026年05月17日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

「快眠体質プラン」も話題に

 その後、コロナ禍の2021年11月に開始した「快眠体質プラン」もメディアで話題になった。2泊3日または3泊4日で、3食付き。料金は約10万円から。日の出とともに体を目覚めさせるサンライズヨガや星空の下でのキャンドルヨガ、睡眠を促すヘッドケアなどの体験が組み込まれている。さらに、瞑想やサンセットクルーズなどの有料オプションも用意した。

ホテルがあるエリアでは、6〜10月にキレイな天の川が見られるという(nobitel提供、以下同)

 「利用者の約9割が女性のひとり旅で、2024年には過去最多の35組が利用しました。高価格帯のツアーですが、リピーターも多いですね。当ホテルでは、コロナ禍と円安が追い風になり、2024年に過去最高の売り上げを更新しました。現在、リピーターは売り上げベースで約3割になり、過去3年で倍増しました」

 ウェルネス特化プランは他にもいくつかあり、ザ・シーンを代表する「目玉ツアー」として打ち出している。利用者は30〜50代の女性がメインで、ひとり旅のほか、夫婦や友人同士、母娘で訪れる人もいるそうだ。

宿泊者の多くが、高確率でウミガメが見られるシュノーケリングに参加するそうだ

 ただ、近年はホテルの稼働率が高まり、繁忙期は予約が取れなくなったことから、高価格帯のウェルネス特化型プランは11〜2月の閑散期のみ提供している。奄美大島は冬の平均気温が15〜18度と暖かいことから、真冬でも「気候の良さ」と「エメラルドグリーンの海」を目的に訪れる人が少なくないそうだ。

 それにしても、ヨガをしたり、自然に触れたりするだけでよく眠れるのだろうか。小林氏に尋ねたところ、それ以外にも快眠につながる要素があるのだという。

 「奄美大島は人が少なく、電車が走っていません。クルマもゆっくり走っていますし、速いスピードで動くものを目にしないんです。また、多くの宿泊者が『高確率でウミガメを見られる』シュノーケリングに参加します。日光を浴びて適度な運動をすることも快眠につながり、実際に『驚くほどよく眠れた』という方は多くいます」

2025年には、新アクティビティ「足漕ぎカヤック」も導入

 さらに、2025年7月からは、新たな自然体験プログラムも開始した。アミューズ(山梨県富士河口湖町)が提供するアクティビティー「足漕ぎカヤック」を導入し、カヤックを使ったナイトツアーや無人島上陸ツアーなどを提供している。「子どもでも乗りやすく、水面との距離が近い」として、想定以上の反響があるという。

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