この感覚は、データでも裏付けられている。
Microsoftの調査によれば、2022年時点で平均的なTeamsユーザーの週あたり会議時間は2020年比で252%増、会議件数は153%増になったという。コロナ禍でオンライン会議が普及した結果、会議の「量」が激増したのだ。
ソフトウェア開発企業のAtlassianの調査では、78%の人が「会議が多すぎて仕事を進めにくい」と回答し、51%が会議過多のせいで週に数日は残業していると答えている。
日本でも事情は同じだ。会議支援ツールを提供するAcall(神戸市)の調査では、1日の会議時間は平均1.9時間、会議調整時間を含めると約2時間半を会議関連業務に費やしているそうだ。8時間勤務の約3割が会議と調整に使われ、1カ月で約50時間、1年で約600時間に達するという。
「本当に必要だ」と感じる会議の割合は39.1%にとどまり、「もっと効率化できる」と感じる会議は43.1%だったという。会議に多くの時間を使っているが、本当に必要だと思われているのは4割程度。残りは不要、または非効率だと感じられているのだ。
ここで誤解してほしくないのは、オンライン会議自体が悪いわけではないということだ。
私はオンライン会議を強く推奨している立場だ。移動時間がなくなる。遠方の相手とすぐつながれる。会議コストが劇的に下がる。これは本来とても良いことだ。
問題は、オンライン会議が「会議を減らす道具」ではなく「会議を増やす道具」として機能してしまったことにある。
日本経済新聞社とJob総研の調査では、出社回帰によって対面会議が増えた一方で、会議への不満は消えていないことが示されている。会議の進め方に不満がある人は68.7%。対面会議への不満では「議論ではなく共有で終わる」が29.6%で最多だった。
オンラインでも対面でも、ダメな会議はダメだ。問題は会議にする必要がないものまで会議にしていることにある。
出社回帰でオンライン会議が減っても、それで問題が解決するわけではない。対面会議が増えるだけなら、会議インフレは悪化する可能性すらある。
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