回転寿司チェーンのくら寿司は5月15日、AIを活用したスマート養殖で育てた「大型生さば」(350円)を期間・店舗限定で発売した。くら寿司で、生サバを提供するのは初。大阪と京都の一部店舗(75店舗)で展開する。
この「大型生さば」を手掛けるのが、くら寿司が2021年に設立した水産専門会社、KURAおさかなファーム(大阪府貝塚市)だ。同社は、AIやICTを活用した「スマート養殖」を展開している。スマート養殖とは、テクノロジーを活用して養殖業務の効率化や生産性向上を図る取り組みだ。
例えば、AIを活用したスマート給餌機で、養殖で最も手間がかかる餌やりを自動化している。魚の状態に応じて必要な量の餌を適切なタイミングで与えることで、成育スピードの向上や餌のロス削減につなげている。また、スマートフォンなどで生け簀(いけす)の状況をリアルタイムで確認でき、遠隔で給餌することも可能だ。
2022年3月にスマート養殖で生産したマダイを全国販売し、同年6月にはハマチのスマート養殖にも成功した。
2024年7月から、愛媛県が完全養殖に成功した人工種苗を用い、サバのスマート養殖に取り組んだ。人工種苗から1年かけて養殖したサバの一般的な重さは200〜300グラムだが、スマート養殖で給餌の量やタイミングを適正化したことで、約1年で500グラム以上にまで成育。最終的には700グラム超の大型サイズにまで育てた。
農林水産省によると、2015年に約53万トンあった国産サバの漁獲量は、2024年には25万トン余りと約10年で半減した。また、国内流通の大半を占めるノルウェー産サバも、漁獲枠の制限などを背景に価格が高騰。財務省貿易統計によると、1キロ当たり200円前後だった原料価格は、足元では700円超まで上昇している。
くら寿司は「日本の漁業を取り巻く環境が厳しさを増し、仕入れが不安定になっています。外食産業の一翼を担う企業として、安定した供給量確保とコスト管理を行い、リーズナブルで高品質な商品の提供の継続に努めていきます」とコメントした。
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
中小企業は「消去法」で50代を採用する 早期退職の前に知るべき現実
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
病院内のカフェ、なぜ「タリーズ」が多い? 100店舗展開を支える運営戦略
退職一時金を「廃止」する会社は増えるのか 優秀人材が逃げる給与シフトの成否Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング