日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「経済をまわすためには、もっと外国人を!」――そんな悲痛な叫びが、聞こえてきそうだ。
2026年4月に、外食分野で特定技能1号外国人の新規受け入れが停止された影響を受け、企業や業界関係者から制度の見直しを求める声が高まっている。
例えば、CBCテレビの取材では、手羽先で有名な「世界の山ちゃん」は特定技能1号の外国人が多く働いていて、今や彼らなしでは店の運営が成り立たないという。取材に対して運営会社の次長が「上限を増やすなど、流動的な対応をしていただきたい」と訴えた。
CBCテレビは日本語学校も取材しており、日本語を学びながら日本の外食業界で働くことを目指す外国人の若者たちが、夢を断念せざるを得なくなっている実態を取り上げ、専門家の「日本の印象が悪くなるかも」という見解も紹介。番組の最後でも「経済を維持するためにどう外国人を受け入れていくのか、制度設計の見直しが急がれます」と結んでおり、どうやら受け入れ拡大は「既定路線」のようなのだ。
それぞれの立場の苦境には理解できる部分もあるが、ちょっと視野を広げて「日本経済」のことを考えるのならば、「上限を増やす」ことはあり得ない。
今のように外食企業の求めるまま外国人労働者を増やしていくことは、外食企業や外国人労働者にとってもマイナスでしかないし、日本人の雇用や賃金に深刻なダメージをもたらすことが目に見えている。「受け入れ枠の縮小」一択だ。
「バカも休み休みに言え! 外食産業の人手不足倒産がどれほど深刻か知らないのか!」なんてお叱りを頂戴しそうだが、実は外国人労働者を受け入れようが受け入れまいが、日本の外食が「大倒産時代」を迎えることは避けられない運命なのだ。
諸外国と比較しても、日本は人口に対して異常なほど飲食店が多いからである。
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