福岡県が総務省の統計などを基にして「人口1000人当たりのレストラン数」(2023年時点)を調べたところ、大阪が12.99店でトップ。次いで東京(10.12)、福岡(7.83)、パリ(7.42)、台北(5.93)と続き、日本の都市は海外主要都市を大きく上回っている。コロナ禍を経た今も、状況はそれほど大きく変わっていない。
ちなみに、日本の外食が「安くてうまい」のは、この超レッドオーシャンのおかげだ。飲食店が異常にあふれたことで、味や価格の競争が激化してクオリティーが磨かれたのである。ただ、そのような好サイクルを回せたのは、約1億2000万人という、先進国の中でも大きな人口規模を抱えていたからだ。
採算を度外視して「安くてうまい」顧客サービスを突き詰めても、消費者が押し寄せるので「薄利多売」というビジネスモデルが成立した。しかし、1995年からそれが一気に崩壊している。
汗水垂らして働いて税金を払い、消費をけん引する「生産年齢人口」(15歳〜64歳)が減少に転じたからだ。
国勢調査の速報値によれば、外国人を含む日本の総人口は1億2304万9524人(2025年10月1日現在)で、2020年と比較して309万6575人減った。つまり、日本では、この5年で大阪市の人口を上回る人数が減少している。
日本人の若者よりも、真面目に働くと評価される特定技能1号外国人を多く受け入れて「人手不足」を解消したところで、肝心の「客」が激減しているのだ。
そうなれば、もともと店舗数が過剰な状態にある外食業界、特に「薄利多売」で成り立っている飲食店が次々と閉店していくのは言うまでもない。実際、すでに顕在化している。
帝国データバンクの調査では、2025年の飲食店倒産件数は900件となり過去最多。東京商工リサーチの集計でも、2025年の飲食業倒産数が1002件に達し、1996年以降で初めて1000件を超えた。
こういう「倒産ニュース」は原料高騰や人手不足、あるいはコロナ禍の影響が尾を引いているなど説明されることが多いが、原材料価格の高騰や人手不足、世界情勢の不安定化などは、いつの時代にも存在する。このタイミングで「淘汰(とうた)」が一気に進んでいる背景には、消費者の減少によって、過剰供給状態にある外食産業が追い詰められていることも大きな要因だ。
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