日本航空(以下、JAL)とNTTドコモ(以下、ドコモ)は6月5日、モバイル通信サービス「JALモバイル powered by ahamo」を同月25日から提供開始すると発表した。「ahamo」の料金や通信品質はそのままに、JALのマイルがたまる独自の特典を付与する。ドコモがパートナー企業ブランド向けに「ahamo」を提供するのは、今回が初となる。
航空業界では昨今、マイルプログラムの改定が相次いで発表されており「マイル経済圏の持続性」に対する議論が盛り上がっている。今回の発表は、JALの経済圏ビジネスにどのような影響を与えるのか。
自社の経済圏強化を進める両社が、モバイル通信分野でタッグを組む狙いとともに迫る。
「JALモバイル powered by ahamo」では、月額2970円でデータ容量30GB、5分以内の国内通話無料、追加料金不要で海外データ通信が使用できるといった「ahamo」の基本スペックをそのまま提供する。
最大の特徴は、日々の通信利用でJALのマイルを付与する点だ。新規回線契約で1000マイル、他社からの乗り換えで5000マイルを付与するほか、毎月の継続利用で一律125マイルがたまる仕組みとなっている。
さらに、往復で7000マイルが必要な国内線特典航空券「どこかにマイル」を、78%オフの1500マイルで交換できるクーポンを年に1回送付する。このほか、フライト利用によるボーナスマイルや、JALのステータス獲得に必要な「JAL Life Status ポイント」を毎月1ポイント付与する。
JALは2025年4月からIIJ(インターネットイニシアティブ)などの通信網を活用した「JALモバイル」を提供している。JAL執行役員でマイレージ・ライフスタイル事業本部長の西田真吾氏によると「想定以上の契約数を獲得した」という。
一方、ユーザーからは「大手通信キャリアの通信環境をそのまま利用したい」「海外でも申し込み不要で、シームレスに通信を利用したい」という要望が寄せられていた。こうした顧客の声に応えるため、海外通信に強みを持つahamoとの提携に至った。
ahamoとの提携の背景にあるのはユーザーの声だけではない。航空事業のみの一本足打法からの脱却を図るJALは、マイルなど非航空事業の拡大に注力している。飛行機を利用する際だけでなく、日常生活の中でマイルをためやすくし、顧客との結びつきを強めることは重要な柱となっている。
一方のドコモは、自社のポイント経済圏を拡大する中で、あえてJALという別経済圏のサービスに通信基盤を提供した。その狙いについて、NTTドコモ常務執行役員 経営企画部長の坪谷寿一氏は、JALマイレージバンク会員との「接点強化」を挙げる。「JALマイレージバンク会員は顧客のロイヤルティやエンゲージメントが非常に高い。ドコモとしてもこの顧客基盤へリーチしたい」と話す。
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