航空業界では今、マイル経済圏を巡りさまざまな変更が相次いでいる。JALの競合であるANAは4月、スーパーフライヤーズカード(SFC)の改定を発表。従来はSFCの入会基準に一度到達した会員に対し、約1万円の年会費を支払い続ければ、ラウンジの無制限利用や優先チェックイン、優先搭乗といった特典を継続して付与していた。
しかし、2028年4月から「ANAカードまたはANA Payでの年間決済額300万円以上」に到達しない顧客に対しては、ラウンジの利用権を失効させるとした新ルールを導入するとし、SNS上で話題を集めた。こういった動きを受け、マイル経済圏の持続性、すなわち今後も同じようにサービスを提供し続けられるかという点に注目が集まっている。
既存顧客サービスに、後から条件を変える可能性について、JALのマイレージ事業部の杉山寿英部長は「当社にはJALグローバルクラブという上位会員ステータスがある。2024年にこのステータスを獲得できるための道筋(条件)を大きく変更した」と話す。
「いわゆるマイル修行のようなものをして、短期決戦でステータスを獲得するかたちから、長距離走のようなイメージで、長期間利用いただいたお客さまにステータス付与するモデルに変えている。そのため、今回のような新サービスを導入しても、急激に環境が変わらないと予測している」(杉山氏)
JALとドコモの協力関係は2014年のポイント相互連携から始まり、2020年の金融事業での提携、2022年のデータ連携に向けた技術実証など、約12年にわたる。
今回のモバイル分野での提携もその延長線上にあり、将来的には「経済圏同士のデータ連携」も見据えている。ドコモの坪谷氏は、AIを事業に組み込んでいく上でデータが極めて重要だとし「ポイントプログラムの連携だけでなく、そこから導き出されるデータから、さらに多様な価値を生み出せるようご一緒していきたい」と今後の展望を語った。
経済圏ビジネスを展開する両社が、競合になる可能性はないのか。西田氏は「きれいに分かれている方が分かりやすいが、実際にはマイルもdポイントも両方ためている方がたくさんいる。両社が重なり合った部分で、さらに違う経済圏からお客さまに来ていただく」と説明した。
自社サービスだけで顧客を囲い込むのではなく、強力なパートナーと組むことで、互いの強みを掛け合わせる。各社がしのぎを削る経済圏競争は「囲い込み」だけでなく「合従連衡」による戦い方もあるかもしれない。
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