トヨタはなぜ“聖域”を公開したのか 3000億円拠点で見えてきた「勝てる理由」高根英幸 「クルマのミライ」(2/6 ページ)

» 2026年06月19日 06時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

重要な研究開発拠点を公開する“大盤振る舞い”

 トヨタテクニカルセンター下山は、構想から30年越しで実現したという。一方、ここ10年ほどのトヨタのクルマ作りは燃費だけでなく、走りの質の追求も目覚ましい。研究開発施設の建設を進めながら、開発の手順もどんどん進化しているように感じる。

車両開発棟では走行後のクルマの状態を確認し、改善点を見極めるなどの作業が行われる。従来は、国内の従来テストコースで不十分なモデルはニュルブルクリンクにクルマを持ち込んでテストする必要があったが、今後は国内で濃密な開発が行える(写真:トヨタ)

 先日、トヨタはこの施設をレクサスの新型車発表の会場として利用すると同時に、報道関係者に施設内部を公開。さらに、テストコースで開発中の車両に試乗させるという“大盤振る舞い”を実施した。

 さすがに全てのエリアを公開したわけではないが、トヨタがこの施設でどのような開発を行っているのかが分かるよう、相当な範囲の設備や工程を紹介したのだ。昔なら考えられないことである。

レクサスの3列シートSUVのTZ。大柄なボディで乗車定員を増やすだけでなく、十分な航続距離も確保されており、新たなBEVとしての魅力を感じさせるモデルとなっている(写真:トヨタ)

 自動車メーカーの開発拠点は基本的にトップシークレットの塊であり、報道関係者が入場する際にはスマートフォンをロッカーに預け、撮影は一切NGというのが通常であった。

 開発者に話を聞くにしても、本社の応接室など、開発現場ではないところを指定されることが常だ。なぜ、これほど重要な施設を公開したのか。そこにはいろいろな意味が込められているように見えた。

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