なぜマクドナルドは「値上げ」しても「客離れ」が起きないのか 物価高時代に学ぶべきヒント(2/4 ページ)

» 2026年06月23日 05時00分 公開
[佐久間 俊一ITmedia]

値上げしても、客足が全く減らない

 さらに興味深いのは利益です。売り上げのCAGRが7.0%なのに対して、粗利は8.1%、営業利益は11.5%となっています。営業利益率も5年間で2ポイントほど改善しました。原材料費や物流費、人件費の上昇が続く環境下で、利益率を改善していることは非常に重要です。

 単純な値上げだけであれば、売り上げは伸びても利益率改善には限界があります。しかしマクドナルドは粗利率もしっかりと改善しています。これは「商品構成の改善」や「客単価の向上」、さらに「店舗オペレーションの効率化」や「デジタル活用」などを並行してしっかりと進めていることに起因するのでしょう。

 さらに注目したいのが客数です。2025年の既存店実績を見ると、既存店の売上高と合わせて客数も前年比で安定した成長をしています。

出所:日本マクドナルドホールディングス公式Webサイト

 通常、値上げを実施すると客数は減少します。しかしマクドナルドは違います。客数が増えているのです。さらに売上高の伸び率が客数の伸び率を上回っています。値上げによる売上増加ではなく「顧客から支持されながら単価も上がっている」状態といえるでしょう。

 では、なぜマクドナルドではこうした理想的な状況が実現しているのでしょうか。

 その答えは商品戦略にあります。

 マクドナルドの商品戦略は「定番商品×時間帯商品×季節商品」という3層構造になっています。

 定番商品では、ハンバーガーを中心に、チーズバーガーやビッグマックやてりやきマックバーガーなど、長年支持される商品をそろえています。さらに、朝マック・ひるマック・夜マックという時間帯別商品を展開しています。ここに加えて月見バーガーやグラコロ、地域限定商品なども投入し続けているのが特徴です。

 定番商品で安定した需要を獲得しながら、時間帯商品で利用機会を増やし、限定商品で話題を作る――この3層構造が客数維持と客単価向上を両立させています。

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