客単価1900円増 ムラサキスポーツが挑んだ「誰でもデータ活用」の仕組み(1/3 ページ)

» 2026年06月24日 07時30分 公開
[濱川太一ITmedia]

 データ活用の大切さは理解しているけれど、扱える人はいないし時間もない――。

 人手不足が深刻化するなか、小売業界では、限られた人員での店舗運営と売り上げ向上の両立が求められている。一方で、現場は接客や品出しなどの日常業務に追われ、データ分析まで十分に手が回らないケースも少なくない。

 全国に約150店舗を展開するスポーツ用品のムラサキスポーツも同様の課題を抱えていた。そんな同社が、在庫分析クラウドサービスのフルカイテン(大阪市)が提供する、生成AIを活用した業務支援ツールを導入。その結果、売り上げは前年比120%、約170時間の勤務時間削減を実現した。加えて、客単価も1000円増加したという。

ムラサキスポーツでデータ活用を進めた結果、どんな成果が見られたのか(画像:セミナー投影資料より)

 本記事では、フルカイテンが主催したオンラインセミナー「AI×データで接客・売り場改善 ムラサキスポーツが実践した自走型店舗への道のり」(6月17日開催)の内容を紹介する。

データ活用の壁は「時間不足」「属人化」「文化」

 ムラサキスポーツでは以前から基幹システムやBIツール(企業に蓄積されているデータを分析して、意思決定を支援するツール)を導入し、データ活用に取り組んできた。しかし、店舗でのデータ活用は必ずしも進んでいなかったという。

 同社のサポートサービス部ゼネラルマネジャーの高木康年氏(正しくは「はしごだか」)は、その要因として「時間不足」「属人化」「組織文化」の3点を挙げる。

ムラサキスポーツでデータ活用が進んでいなかった理由(画像:セミナー投影資料より)

 店舗ではスタッフが接客や品出し、在庫管理などの日々の業務に追われていた。分析に必要な時間を確保しづらく、データ活用は後回しになりがちだった。また、数値を読み解く力には個人差があり、経験豊富なスタッフの勘や、一部の担当者に依存する傾向があった。

 さらに店舗では、売り場の防犯の観点から長時間バックヤードでPC作業をすることが難しい。分析のために売り場を離れれば、その分接客機会も失われる。

 こうした状況のなかで同社が目指したのは「誰でもデータを使って行動できる環境づくり」だった。

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